映画「リトル・フォレスト」が良かった。「夏・秋」と「冬・春」の二部作。
穏やかで淡々と、自然ひいては命に向き合うだけの映像。
ゆえに、自分の命や死をも、うっすらと想起させられる。
何か新しい感覚が得られるとか、社会問題を引き合いに出すとか、そういう意図は何もない。思惑が薄い。
観ることにエネルギーを必要としない。退屈な邦画だなと言われても仕方ない。
だからこそ、忙しく、生き急ぎ、疲弊している人にほど観てもらいたいと思える映画。自分もそのうちの一人だ。
自然とか、ありのままとか自分と向き合うとか。こういうの大事だよね、と安易に言いたくはない。
でも忘れたくはないよね、と自分の心に留めておきたい。